出演者だけでも3000人を超える学生ダンサーがこの舞台での優勝を目指して戦うJapan Dancers’ Championship(通称JDC)。昨年度行われたJDCでは強豪ダンスサークルが集まる中、見事優勝を勝ち取った明治学院大学BreakJam。
BreakJamの総代表でありHIP HOPの振り付けを担当している黒川さん、ガールズの振り付けを担当している中山さん、ハウスの振り付けを担当している土屋さんに、彼らが持つJDCへの想いや予選なしで臨むことに対してどのように思っているかなどをインタビューさせてもらった。
Break Jamで大事なのは”家族愛”
INTERVIEWER
BreakJamのみなさんは昨年のJDCで見事優勝を勝ち取りましたが、サークル自体はインカレですか?
黒川さん
ほぼ明治学院大学の生徒ですね。そこは僕たちの強みでもあると思っています。練習したい時にすぐ集まれますし。
INTERVIEWER
なるほど。インカレじゃないのに強いってすごいですね。BreakJamってどんなサークルですか?
黒川さん
インカレだとダンスを頑張りたいって人が集まるじゃないですか。例えばバトルで勝ちたいとかコンテストで勝ちたいとか。でも、Break Jamはそういう人たちだけじゃなくて、ダンスをちょっと楽しみたいなってくらいの人もいればダンスをめちゃくちゃ頑張りたいって人もいたり、サークルでお酒飲みたい!って人も含めていろいろいるんですよ。でもそれが敵対しないで、みんながみんなBreak Jamだよねって思えるのがいいところかなって思いますね。
BreakJamってBreakで休む、Jamに家族って意味を持っていて自分が休める場所というか”ホーム”みたいな意味もあります。Break Jamで大事なのは“家族愛”ですね。
INTERVIEWER
なるほど。素晴らしいですね。いろんなベクトルを向いててもお互いが尊重しあってやってる感じが、他のサークルでもなかなかないですもんね。
黒川さん
結局はみんな同じ大学っていうのもあるのかもしれませんね。Break Jamへの愛だけではなくて、明治学院大学の学生としての大学への愛とか。「あそこで練習したよね」とかよく話すこともあります。
明治学院大学BreakJamを知るきっかけとなる大会。それが”JDC”
INTERVIEWER
JDCって半分くらいBreakJamが優勝してますよね。BreakJamにとってJDCってどういった印象がありますか?
黒川さん
僕自身、BreakJamを知るきっかけとしてJDCがあったんですよね。動画とかみていても”JDC優勝 明治学院大学BreakJam”って言葉をよく見つけたりして。
中山さん
結構私の周りでも、高校生の時とかにJDCの動画をみてかっこいいなって思ってこのサークルに入ったっていう話をよく聞きますね。
黒川さん
“優勝しているBreakJam”と”その大会のJDC”っていう関係性で結界的に「JDCに出たい」「JDCで優勝しているからBreakJamに入りたい」みたいな感じになっていると思います。
INTERVIEWER
じゃあ大学選びにも関わってきているということですね。それは凄い!!!
JDC出場者は”声かけ方式”で選ぶ。
INTERVIEWER
JDC出場するにあたってオーディションとかはするんですか?
黒川さん
オーディションは特にしないですね。最初に振り付け担当を決めるんです。その振り付けを作る人がこの人のダンスっていいよねって思う人を選んで声をかけてって感じですね。
INTERVIEWER
なるほど。”声かけ方式”ってことですね。ってことは声をかけられなかったら出られないってことですか?
土屋さん
そうですね。知らない間に「あ〜もうJDC出場者決まったんだ。」って感じですね。
INTERVIEWER
それはかなり新しいですね。その方式はなかなか耳にすることもないですよね。
土屋さん
僕たちが1年生の時からそうだったので、JDCの出場方法はもうそういう物なんだっていう認識でした。1年生から4年生までチャンスがあります。結構シビアですけどね。
INTERVIEWER
じゃあ毎年頑張ろうって思えるきっかけにもなっているんですね。どういう基準で選んでいるんですか?
黒川さん
学年とか関係なしに見ています。学祭とかの練習をしているとなんとなくこの人モチベーション高いなとかわかるんですよね。
土屋さん
明治学院大学だからこそこの方法ができるっていうのもあると思います。同じ大学に通っているので、練習風景とか見ることができるんですよね。”あ〜こいつ頑張ってるな”とか”いつも練習してるな”とかもわかるし。そういうところは選ぶ基準にしています。
INTERVIEWER
同じ大学の仲間だからこそわかる部分が多いんですね。
溜まり場は”タイヨコ”
INTERVIEWER
普段どこで練習しているんですか?
中山さん
室内も室外でも自分が映りそうな場所を探して練習しています。そこでお昼ご飯食べたりもするんです。
黒川さん
練習場所が溜まり場みたいな感じですね。”タイヨコ”って呼んでるんですけど。もう一年生の時からみんなそこで集まってご飯食べたり、喋ったり、踊ったりして自然とそこで仲良くなったりしましたね。”暇だったら行こう”みたいな場所になっていましたね。
INTERVIEWER
そこで空気感ができているんですね。
黒川さん
そうですね。だからこそ、JDCに出場してなくても応援してくれるような仲の良さは作られているのかなって思いますね。
かっこいいと思うものを突き詰める
INTERVIEWER
昨年の先輩たちの印象とかありますか?
土屋さん
ハウスに関してはメンバーがほとんど変わっていないので、Zeppで踊った感覚を思い出しながら練習はしていますね。
黒川さん
先輩がかなり大変そうなところを間近で見ていたので、自分たちも今年も気合入れて頑張らないとなとは思いますね。
中山さん
JDCって学祭とは全く違うので、構成とかもしっかり考えなきゃいけないので、先輩からはJDCの構成だったらこんな風にすればいいんだっていうのをかなり学ばせてもらいましたね。
INTERVIEWER
何か受け継いでいるものとかってあるんですか?
黒川さん
そうですね。コンテストってなると、ちょっとかっこいいダンスを真似してみたり、そのままパクっちゃったりするところもあると思うんです。でもBreakJamはそれをしてきていないんです。”俺たちがかっこいいと思っているものはこれなんだよ”って感じでやってきているんですよ。かっこいいと思うものを突き詰めるって部分は変わっていないと思いますね。
INTERVIEWER
なるほど。逆に意気込まずに自然体でいるのがBreakJamなんですね。
今までとは違うBreakJam
INTERVIEWER
今回はテーマとかあるんですか?
土屋さん
今年は結構”チャレンジ”ですね。今までしたことないようなことをしています。いい意味で裏切れたらなと思っています。
黒川さん
まだ上もやったことがないであろうことに挑戦しようと思っています。僕たちはFINALでの1回しか踊らないんですけど、その1回でもっていけるかなと思っています。
やられた!って思われられたら勝ちかなって思ってます。
中山さん
予選がない分もちろん怖いけど、一発で、こうきたか!みたいな作品になっていますね。
INTERVIEWER
“チャレンジ”がキーワードになってくるんですね。
FINALでは地方からもFINALISTたちもくると思うんですけど、どう思いますか?
黒川さん
地方って予選が早いじゃないですか。FINALまでに詰めてくるんじゃないかなっていう心配はありますね。特に大阪とかはレベルが高いなって感じてます。
これからのBreak Jam
INTERVIEWER
JDCも含めこれからBreak Jamとして頑張っていきたいこととか目標とかってありますか?
黒川さん
そうですね。上の先輩からかっこいいものをたくさん教えてもらっていたので、1年生にもそういうものを教えて引退できたらなと思いますね。
中山さん
とにかく時間を大切にしたいですね。後輩がジャンルの中心になったりするので、今やれることをしてあげてから引退したいなって思います。
土屋さん
ハウスはもっとこんな遊び方があるんだよってことと自由さを後輩に伝えたいと思っていますね。
INTERVIEWER
みんな後輩想いなんですね。素晴らしいサークルですね。
黒川さん
やっぱり今のBreakJamの姿が、後から見た時にダサかったら嫌なので、あの時のBreakJamもよかったよねって思われるようにしたいですね。僕たちも先輩を見て、「あぁなりたいね」って実際に話していたので、自分たちもそう思ってもらいたいです。
サークルとしてのつながりも広げたいと思うし、被ったことのない代の人たちとの繋がりも作っていけたらなと思うので、そのためにもJDCでは優勝したいと思っていますね。
土屋さん
あとはやっぱりあの優勝の瞬間はもう一度味わいたいですね。今年もあのドラムロールを聞いて優勝したいです。
INTERVIEWER
そうですよね。あのドラムロールからの優勝を勝ち取った時の瞬間は素晴らしいものですよね。
今年もBreakJamのステージ、楽しみにしています。JDC FINAL頑張ってください。